| 懲役23年の判決が言い渡されると、法廷内にはどよめきが広がった。ハン・ドクス元首相は判決により、その場で身柄を拘束された。 |
韓国の裁判所は、内乱への重要な役割での関与などの罪に問われていたハン・ドクス(韓悳洙)元首相に対し、懲役23年を言い渡した。これは、2024年12月3日の非常戒厳宣布が韓国刑法上の内乱罪に該当すると判断した、司法による初の判決である。ハン元首相は、判決言い渡し直後に法廷内で身柄を拘束された。
1月21日、ソウル中央地方法院・刑事合議第33部(裁判長:イ・ジングァン〈李鎭官〉部長判事)は、内乱重要任務従事、虚偽公文書作成などの罪で起訴されていたハン元首相について、大半の公訴事実を有罪と認定し、懲役23年の実刑判決を言い渡した。
ハン元首相は、違法な非常戒厳宣布に手続的正当性を与える目的で、当時の大統領であるユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領に対し、2024年12月3日に国務会議の招集を建議したとして、内乱の首謀者幇助および内乱重要任務従事の容疑で、昨年8月29日に起訴された。
また検察によると、ハン元首相は、ユン前大統領および当時大統領室付属室長であったカン・ウィグ(姜義九)と共謀し、非常戒厳宣布の違法性を隠蔽する目的で、事後的に作成された非常戒厳宣布文書に署名し、その後これを廃棄したとされる(虚偽公文書作成および行使)。さらに、ユン前大統領の弾劾審判において、「(戒厳宣布文を)いつ、どのように受け取ったのか本当に覚えていない」と証言し、偽証した罪にも問われている。
**チョ・ウンソク(趙恩錫)**特別検察官率いる特別検察チームは、昨年11月26日の結審公判で、懲役15年を求刑していたが、裁判所はこれを大きく上回る量刑を言い渡した。
判決文朗読中、市民の勇気に言及し判事が言葉を詰まらせる
| ハン・ドクス元首相の一審判決公判で、イ・ジングァン(李鎭官)裁判長は、「武装した戒厳軍に素手で立ち向かい、国会を守った市民の勇気によってもたらされた結果だ」と述べた直後、感情を抑えきれない様子を見せた。 (写真=ソウル中央地方法院提供) |
今回の異例ともいえる重刑判決に際し、裁判長のイ・ジングァン部長判事が見せた感情を抑えきれない瞬間が、大きな注目を集めた。イ判事は、12月3日の非常戒厳をめぐる事態に言及し、**「武装した戒厳軍に素手で立ち向かい、国会を守った市民の勇気」**について語る中で、一時言葉を続けられなくなった。
イ判事は、用意された判決文を終始落ち着いた口調で読み上げていたが、量刑理由を説明する過程で、ハン元首相および内乱首謀者の容疑を受けているユン前大統領側の主張にも触れ、「内乱の過程で死者は発生しておらず、行為自体も数時間で終息した」との反論を紹介した。
そのうえで、「しかし」と前置きし、次のように述べた。
「それは何よりも、武装した戒厳軍に対して素手で立ち向かい、国会を守った市民の勇気によるものである」
この発言の直後、イ判事は約6秒間言葉を詰まらせ、涙をこらえる様子を見せた。その後、眼鏡をかけ直して判決文朗読を続けた。
さらにイ判事は、次のように付け加えた。
「加えて、市民の抵抗を基盤として迅速に国会に入り、非常戒厳解除要求決議案を可決した『一部の』政治家の努力、韓国の歴史における内乱の暗い記憶を想起し、違法な命令に抵抗した、あるいはやむを得ず従ったとしても消極的に関与した一部の軍人・警察公務員の行動によるものである」
イ判事は、政治家に言及する際、「一部の」という表現を強調し、責任が広く政治全体に帰されるものではないことを明確にした。そして最後に、こう断言した。
「決して、12月3日の内乱に加担した者たちによるものではない」
市民の反応「正義が生きていると感じた」
判決を生中継で見守っていた視聴者やネットユーザーの間では、イ判事が一瞬言葉を失った場面が強い印象を残したとして、共感の声が広がった。
あるネットユーザーは、「ハン・ドクス懲役23年。涙がにじんだ。これまでの野蛮を押し返し、慰めと救いを感じた。イ・ジングァン判事に感謝する」と書き込んだ。
経済学者は、フェイスブックに次のように投稿した。
「“警告的戒厳”などというものは存在せず、短時間で終わったのは素手で止めた市民のおかげだ、という言葉を聞いて涙が出そうになった。裁判の判決を見て泣きそうになったのは初めてだ」
SNS上ではこのほかにも、「イ・ジングァン判事の判決文朗読を聞きながら何度も鼻の奥がツンとした」「司法は本来こうあるべきだ」といった反応が相次いだ。
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